2011-06-03 鈴木謙介 「『消費社会論』から見る社会学」 第八回 講義 間々田孝夫『第三の消費文化論――モダンでもポストモダンでもなく』(2007、ミネルヴァ書房) 第四章 消費記号論の彼方(1)1)差異化による需要の創出 構造主義以降の「関係」による意味の決定 差別化による需要の自己創出(見田宗介『現代社会の理論』、1996、岩波新書) 2)消費者にとっての/企業にとっての差異化 古典的地位表示モデル/ライフスタイルモデル/差別化消費モデル 他者との差異=他者の視線(上野千鶴子『〈私〉探しゲーム――欲望的私民社会論』、1987、ちくま学芸文庫)⇒個人の内面的価値の徹底化 他の商品との差異⇒「モノの普及」の終わり 3)大衆の終わり 1983〜1984 電通、博報堂「分衆」、「小衆」 ビッグヒットはもう生まれない、「少品種大量生産から多品種小生産へ」 4)ポストモダン消費論をめぐって ポストモダン消費論への間々田の批判 「モノ」の消費による差異化に対して、「モノ」によらない、精神的価値を有した文化的商品はそれに当たらない 間々田に対する鈴木の批判 ポストモダン消費記号論はあくまでマーケティング術語であり、学問的見地からの批判は妥当ではないのではないか(少なくとも80年代においては「モノ」の消費が主流であった) 「モノ」から独立した精神的価値の存在は果たして可能か(映画、音楽などは所有と非所有を分化できない)