2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

鈴木謙介「『消費社会論』から見る社会学」 第三回

間々田孝夫『第三の消費文化論――モダンでもポストモダンでもなく』(2007、ミネルヴァ書房) 第一章 ポストモダン消費論の脱構築(2)ディスカッション――ポストモダン消費について 日常生活におけるさまざまなシミュラークル(付加価値商品)。 外国車、サッ…

鈴木謙介「『消費社会論』から見る社会学」 第二回

間々田孝夫 『第三の消費文化論――モダンでもポストモダンでもなく』(2007、ミネルヴァ書房) 第一章 ポストモダン消費論の脱構築(1)ポストモダン論の前提 ロイ・リキテンスタイン、アンディ・ウォーホルのポップ・アート、デュシャンのレディ・メイド参照…

fragment 2

日本の銀幕に登場した頃のマリリン・モンローは白痴美と評された。今でも覚えているが、銀座のどこかの映画館に、滝の上に寝そべってひじまくらをし、真紅なべにをさした口唇を半びらきにし、うっとりと媚を売っている彼女のとてつもなく大きな看板がかかげ…

『非常線の女』(小津安二郎、1933)

田中絹代は劇中、三度拳銃を手にする。その銃口が火を噴くのは無論三度目においてであるが、田中絹代がタイプを打ち、また岡譲二のオフィスにおいて帽子が落ちるのは二度である。『非常線の女』における「三度目の偶然」が我々にとっての異様な事態を招くこ…

『スクリーマデリカ』雑感(1)

『スクリーマデリカ』の再演が一体どれほどの人に喜ばれているのか解らない。おっさんだけじゃないのか、その中でも『スクリーマデリカ』のリアリティを真に受け入れることができる人間が果たして何人いるのか。「ロック史に残る名盤」という扱いがこれほど…

鈴木謙介「『消費社会論』から見る社会学」 第一回

1)「震災後」における流通、および大学生の就職活動 シラバスの「演習で学んだことを将来、社会人になってから活かしたいとか、具体的なビジネスのビジョンを持っているなど、強い意欲のある学生を歓迎する」という言葉が過剰とも言えない状況が、震災によ…

fragment 1

阿部和重の『シンセミア』を読んでいた。取り敢えずの振る舞いとして明確な日付を記せば、2007年(平成19年)6月18日(月曜日)から19日(火曜日)にかけてこの書物を、彼は一度目に読了している。さらに記憶を辿ると、18日午前11時10分から12時40分にかけて…

途中から始まる人生

最初のブログを開設したのが2005年の3月だったことは覚えている。10代だった僕は、その頃、当時自分に付きまとっていた(と思っていた)様々な抑圧(のようなもの)から(取り敢えずは)とうとう解放されたような気持ちで、まるで昨日キャンパスに溢れていた…