断章

ホイットニー・ニューストンが死んだ

ホイットニー・ヒューストンが死んだ。彼女以上の歌手を僕は知らない。と言えば部分的にであっても嘘にはなるだろうけれど、「ホイットニー・ヒューストンが死んだ」というニュースが「マイケル・ジャクソンが死んだ」というニュースのヴァリューの辛うじて1…

アンジェロプーロスが死んだ

アンジェロプーロスが死んだ。自作の撮影中、車に轢かれて死んだアンジェロプーロスは、自らの身体――果たしてそんなものが存在するのか甚だ疑わしいが――をあまりにも非アンジェロプーロス的「現実」に曝すことで、結果的にその生をあまりにもアンジェロプー…

fragment 439

前回の続き。デジタル・ネイティヴ(あるいはそうじゃなくても)が過去のアーカイヴをインターネットから掘るにしても、2ちゃんねる→ブログ→mixi→Twitter、あるいはその時期バズってる話題でそのアクセスが規定されるだろうっつー話。んでそういう細かい差異…

fragment 438

25歳になった(厳密には2日前に、だが)。何年か前から数え年の制度を導入したので誕生日に特に感慨もないし、意欲的な若者にありがちな、先人と自分とを比較して「若いうちに何か事を成さねばならぬ」という意識も薄い人間なので四半世紀ほぼたらたらやって…

甘い記憶

生来の健忘症がいよいよ激しさを増してきたのは確か昨年の暮れ頃からか、ここ1年――いや2年――4年――7年のことはほとんど記憶にない。あったとしてそれはカットアップ&スクラップされた断片の集積としてであって、僕としてはその前で腕組みしながらうーんと周…

ソーシャル化するブログばれ

●ブログというのは誰に読まれているか解りません。 「その通りです」 ●はてなキーワードで辿ればそりゃ一発でしょう。 「自分の授業に出てる学生だったらそりゃねえ」 ●泳がされてたし。 「同じ授業の女の子も読んでたって。つーか言っときますけど、これ別…

fragment 4

NHK『爆笑問題のニッポンの教養』、上野千鶴子の回は全く面白くなかった。こうした期待は(つーかそもそも「民放の上野千鶴子」に何を期待していたのかもよく解らんが)往々にして裏切られるのが常ではあるが(朝生の「若者不幸論」など)、上野千鶴子と爆笑…

fragment 3

AKB48の、たった今テレビで流れていた曲(新曲ではないです)、恐らく卒業ソングだと思うんですけれども、その中で「輝いていた青春時代を胸に、これからも力強く生きていく」とか何とか、そういう歌詞があって。要するに「青春時代」ってのは一体何なのかと…

fragment 2

日本の銀幕に登場した頃のマリリン・モンローは白痴美と評された。今でも覚えているが、銀座のどこかの映画館に、滝の上に寝そべってひじまくらをし、真紅なべにをさした口唇を半びらきにし、うっとりと媚を売っている彼女のとてつもなく大きな看板がかかげ…

fragment 1

阿部和重の『シンセミア』を読んでいた。取り敢えずの振る舞いとして明確な日付を記せば、2007年(平成19年)6月18日(月曜日)から19日(火曜日)にかけてこの書物を、彼は一度目に読了している。さらに記憶を辿ると、18日午前11時10分から12時40分にかけて…